養蜂

令和元年ハチミツの国内消費量47,689tに対し、
国産内生産量は2,911tで自給率6%と非常に少ない現状です。
(令和2年11月農林水産省生産局畜産部 養蜂をめぐる情勢より)

国産品は流通量自体少ないうえに、高熱処理されたものや、
水飴や人口甘味料などの糖分を加えたものを除くと更に流通量は減少する状況です。

養蜂では、蜜ろうでできた巣礎を巣枠に張ったものを基礎に、
六角形の巣房を作り、ハチミツや花粉を貯める貯蔵庫、幼虫の育児室となる巣房を作っていきます。
その集合体を巣脾(すひ)と言います。
ミツバチが採取して巣房に貯めたばかりのハチミツは、まだ水分も多く糖度が低いです。
糖度80度以上になると巣房に白い蜜蓋をし完成します。

こだわり養蜂の流れ

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養蜂では、蜜ろうでできた巣礎を巣枠に張ったものを基礎に、六角形の巣房を作り、ハチミツや花粉を貯める貯蔵庫、幼虫の育児室となる巣房を作っていきます。その集合体を巣脾(すひ)と言います。
毎年新しい巣脾を使用します。

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ハチミツや花粉を貯める貯蔵庫、幼虫の育児室と分けるために
隔王板を使用します。

隔王板を使うことでハチミツや花粉だけの巣脾が出来上がってきます。ミツバチが採取して巣房に貯めたばかりのハチミツは、まだ水分も多く糖度が低いです。糖度80度以上になると巣房に白い蜜蓋をします。

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全面に蜜蓋がされ完成します。この状態が巣蜜(コムハニー)です。この状態になったら採蜜をします。

蜜蓋を蜜刀で削ぎ落とし、遠心分離機にかけて採蜜します。

搾ったハチミツに削った蜜ろうなどが混ざるため、こし布で取り除きます。そのまま瓶詰します。

一切混ぜ物や熱処理をしない、巣箱からの生搾りはちみつをお届けしています。

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毎年新しい巣脾でハチミツを採る

採蜜シーズン終了後、育児に使った巣脾

新しい巣脾は黄金のような美しい色合いで綺麗です。
しかし採蜜時期を終えて育児に使うとプロポリスや不純物が貯まり黒ずんできます。
新しくできた巣脾は強度がなく、遠心分離機にかけるとバラバラになってしまう恐れがあるため、何回か使い強度を上げてから遠心分離機にかけて、採蜜するように推奨されています。
しかし、私たちは毎年新しい巣脾(新巣)で採蜜をします。そしてシーズン終了後は育児用に使用し採蜜には使いません。

一年使い黒ずんだ巣脾

何度も育児に使った巣脾で採蜜すると、蓄積した不純物や殺菌で純粋なハチミツの香りや風味を損ねてしまい、雑味の原因にもなり兼ねません。
育児用も使い続ければ病原菌の温床になってしまうため、3年ほどで処分しています。
また、遠心分離機や養蜂具などを毎回消毒し、衛生管理を徹底することで、食品衛生検査では最低細菌数をマークしています。
(一般細菌数<3.0×102表示方法が最低300個なのでこのような書き方になりますが、実際には0に限りなく近い報告を受けています。)

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隔王板を使ったこだわり養蜂

中心が育児圏、その周りが貯密部分

私たちは厳選した最高のハチミツを搾るために、隔王板(働き蜂は通り抜けるが、女王蜂は通れない仕切板)を使用しています。
二段の巣箱の間に隔王板を挟み、女王蜂は上段の巣箱に移動できず下段の巣箱のみに産卵をし、上段にはハチミツや花粉のみが貯蔵されます。
このハチミツと花粉のみを貯蔵したもののみを採蜜します。よって、遠心分離機で採蜜する時に幼虫や卵が飛び出すことがないのです。
ミツバチの産卵数が半分に減り弱群になるリスクがありますが、臭味もなく花の香りが強く、透明度のあるハチミツが採蜜できるのです。

幼虫や卵が飛び出す恐れがある

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国内流通のハチミツ原料の多くは…

白い蜜蓋がされていない部分が未完成のハチミツ

日本で流通しているハチミツの原料の多くはミツバチが水分を飛ばして濃縮し蜜蓋がされる前に収穫したもの。これを、減圧濃縮釜で加熱処理することによって糖度を上げている。
ハチミツ以外のもので加糖しているものは表記しなければならないが、加熱加工に関しては表記の義務がないので、こうしたものも『純粋ハチミツ』として販売することができるのです。香りや風味は揮発性の成分なので、加熱すると損なわれてしまいます。(Dr クロワッサン特別編集号より)

ほぼ全面に白い蜜蓋がされ完成したハチミツ

私たちは完成されたハチミツを採蜜し、香り高く濃厚な天然生ハチミツをお届けいたします。

蜂蜜ができるまで

1.蜜源を探す

蜜蜂(外勤蜂)は、良質な花蜜や花粉がある場所を探すと、
巣箱内で8の字ダンスという8の字にお尻を震わせながら歩行する伝達手段で、
歩く方向(場所の方向)や歩く長さ(場所までの距離)を仲間に教えます。

2.蜜を集める

花から花蜜を吸い、体内にある蜜胃と呼ばれる所に貯めていき、一緒に花粉も後脚に花粉団子を付けて運びます。

3.蜜を渡す

蜜蜂は集めた花蜜を蜜胃の中で転化酵素を分泌し成分変化が始まります。
巣に戻り若い働き蜂(内勤蜂)に口移しで渡し、この分解作業を繰り返し余分な水分を蒸発していきます。

4.羽ばたく

働きバチの扇風行動(羽ばたく)によって巣箱内の温度を一定に保ち、貯蔵している蜜に含まれる水分を蒸発していきます。

5.完成

蜂蜜の糖度が80%になると貯蔵している六角形の巣房を蜜ろうで蓋をします。
その後、水分や雑菌が混入しないようにプロポリスでコーティングして完成です。
一匹のミツバチが生涯に集める蜜は小さなスプーン1杯分。自然の恵みに感謝しいただきたいものです。

はちみつの栄養素

ハチミツには沢山の栄養素が含まれています。ご紹介いたします。

体を動かすエネルギーグルコース
フルクトース
マルトース
エネルギー減となるブドウ糖
甘みが強くエネルギーとして代謝されやすい果糖
ブドウ糖が二つ結合された麦芽糖
有機酸酸性をもつ化合物グルコン酸
クエン酸
ビフィズス菌を増やし腸内環境を整える
エネルギー生成の回路の働きを促す
酵素抗菌作用をもたらすαグルコシダーゼ
グルコースオキシダーゼ
ショ糖を果糖とブドウ糖に分解する
ブドウ糖からグルコン酸と過酸化水素を作る
ビタミン体の調子を整えるビタミンC
ビタミンB1
ビタミンB2
ビタミンB12
ナイアシン
造血作用、免疫力補強、老化防止
糖質の代謝を促す
脂質の代謝を促す
赤血球の形成を助ける
皮膚の健康を保ち、消化を促進
ミネラル体を作るナトリウム
リン

カルシウム
カリウム
マグネシウム

亜鉛
マンガン
心臓、筋肉の調整
骨や歯、筋肉を作る
赤血球の形成を促す
骨や歯を作る
ナトリウムの排出を促して血圧を調整する
タンパク質の合成、エネルギー代謝を促す
鉄と協力して赤血球の形成を促す
タンパク質の合成、骨の発達に関わる
生殖と成長を正常化する
アミノ酸肌、髪、筋肉の材料バリン
ロイシン
イソロイシン
アラニン
アルギニン
リジン
アスパラギン酸
グルタミン酸
プロリン
スレオニン
メチオニン
ヒスチジン
フェニルアラニン
チロシン
グリシン
セリン
タンパク質を合成する
筋肉を維持する
筋肉を作り、ヘモグロビンを形成する
エネルギーとなる糖質に変わる
成長ホルモンの分泌を促す
脂肪をエネルギーに変える物質の材料
神経伝達物質の合成に関わる
老廃物の解毒に関わる
コラーゲンの材料になる
成長促進に関わり脂肪肝を抑制する
タンパク質を作るときに最初に働く
ヘモグロビンや白血球の合成に関わる
脳内神経伝達物質の材料
脳内神経伝達物質やホルモンの材料
コラーゲン、赤血球の材料になる
さまざまな酵素に含まれる
ポリフェノール体を守る植物の天然成分カフェ酸
p-クマル酸
フェルラ酸
ケンフェロール
クリシン
ケルセチン
p-ヒドロキシ安息香酸
バニリン酸
バニリン
シリングアルデヒド
ガランギン
植物に含まれる化合物で強力な抗酸化作用が期待される